世界のどこで暮らす人も、感じることの根っこは同じ。ジョージアのドキュメンタリー映画を観て

カテゴリー ライプツィヒ/ Leipzig, 映画/ film, 海外/ foreign countries

こんにちは、しおり(@shiorisomewhere)です。

 

先日DOK Leipzigという、国際映画祭に行って来ました。年に一度ライプツィヒで開催される、アニメーションとドキュメンタリーに特化した映画祭です。10/30〜11/5までの一週間あったのですが、最終日の夜に、あるドキュメンタリー映画を観てきました。

 

タイトルは、The Machine Which Makes Everything Disappear

訳すと「全てを消してしまう機械」

 

ジョージアの女性映画監督Tinatin Gurchianiさんが20日間で撮影したものです。

 

ジョージアに住む15〜25歳の若者たちに、「ドキュメンタリー映画を撮ります。あなたの人生が十分面白いといえる方は、ぜひ応募してください」のメッセージとともに募集をかけて出来上がりました。

 

ジョージアは、日本でも「グルジア」から呼び名を変えたことで近年少し話題になりましたが、実際多くの日本人にはイメージしにくい国ではないでしょうか。

ロシアとトルコに挟まれた小さな国です。

参照:ジョージア政府観光局

 

この映画を観ようと思ったのは2つの理由があって、

  1. タイトルに惹かれたから(個人的に好きな映画Eternal Sunshine of the Spotless Mindを彷彿とさせました)
  2. 知らない土地でどう生活が営まれているのか単純に興味があったから

です。

 

映画は英語字幕付きで、その他映画祭関連の案内も英語でした!(ドイツだと基本ドイツ語で進められるので嬉しかった〜…)

 

映画では人々が壁の前に立ち、自分の毎日の生活、人生において何を大切にしていて、何に悩んでいるのかを軸に語ります。一人一人が監督の質問に答えていき、語られたことの一部にカメラが潜入し、その人たちの人生が浮き彫りになっていきます。

「映画に出たいな」

 

今日は私の結婚式

 

出演者の中には、カメラがもともと話を聞いてついていく中で見つけた若者も含まれています。

 

一人一人登場してくる中で、痛いほど気持ちがわかるものと、戦争の体験や自分を捨てた母に会いにいく体験など私には壮絶で分からないものの2パターンに分かれました。

 

中には分かっているつもりのものもあるかもしれません。体験したことはないけど、私ならどうするか考えさせられるもの。

 

例えば、元軍人の男性が出てくるのですが、兄弟が窃盗の罪で25年牢屋に入れられることになり、5年が経過していました。

その兄弟は、牢屋の外の親戚や昔の先生に手紙を出します。そこで登場する、18歳の女の子。

 

彼女は13歳の時に、暗がりの中一度だけその兄弟に会って一目惚れされてしまったのでした。

「彼からの手紙は感謝されるべきだし、返事を書いてくれ。」

 

「でも私、顔も覚えてない」

「君は見た目のことばかり気にするんだね?」

「そうじゃないけど…」

 

「彼は君からの便りを待ってる。」

そう言って男性は帰ってしまいます。

 

「ほとんど知らない人だけれど、見捨てることはできない。私の手紙に希望を託してるなんて。」

と言ってぼんやり外を眺める女の子。

「いつも最後にこう書いてあるの。『人生よりも愛している。』

 

この映画を観て印象深かったのは、私はジョージアのことは分からないしジョージア人と話した事もないけれど、人の奥深くに眠っている感情は、どこの国にいても同じだということ。

 

みんな一生懸命生きているし、大小あるにしろ何かしら悩みや問題を抱えている。表面的には出てこないもので、見えないものというのは忘れられがち。

 

この映画のタイトル「The Machine Which Makes Everything Disappear」は、撮影中に質問する中で監督から出て来た言葉でした。ある女性を追ったカメラは、パーティ会場で一人、外を見ている別の女性を見つけます。

 

「もう人生に疲れてしまった。生まれてからずっと、人はまず、歩くことに疲れる。話すこと、友達に疲れる。」

「じゃあもし、全てのものを消せる機械があるとして、あなたなら何を消す?」

 

彼女は答えます。

「私の存在。本当よ。だけどね、その前に新年には桜の木が欲しい。

 

子どもの頃、友達に馴染めなくて桜の木に登って上からみんなが遊ぶのを見てたの。

一人では降りれなくて助けがいったんだけど。

 

だから桜って親近感が湧いて好きなの。」

***

会場にはこの監督も来ていて、最後にQ&Aタイムがありました。ぽつぽつと出てくる質問にユーモア混じりに答えていらっしゃいました。

 

「20日間で撮影したなんて感動しました。こんな人の奥深くに密着するなんて」

ー監督「そうですね、本当はジョージアはもっと天気がいいところなんですけど。(映画はどんよりとした天気の映像ばかりでした笑)

 

世界中の誰もが共感できる映画にしたかったんです。ジョージアのドキュメンタリーなんて作られた事がなかったから。

 

ジョージア人の若者の、普通の姿を見せたかったんです。だから、観光名所とか綺麗なところは特に映していません」

 

嫁さんが欲しい!
ずっと同じ様に生きるのってつまらない。

 

私は、単純ですが、見てよかったなあと思いました。

私がタイトルにしたように『世界のどこで暮らす人も、感じることの根っこは同じ』だと考えるようになったのは、ドイツに来る前に福岡で外国人と交流パーティなどで話しまくって、相手と対等に考えを言い合うようになってからです。

 

文法とか気にせずに、自分の考えていることに乗せて英語を手段として「使った」感じです。

 

今の普段の生活ではやっぱり、まだまだ分からないドイツ語や、ドイツ人の習慣といった見た目に振り回されてしまって、忘れていたなあと思いました。

 

と気づいたところで、ちょっとした事件でまたこれを思い知らされるのですが、それはまた次回書きます。。笑

 

最後に映画の予告編をどうぞ!:)

 

ではまた〜〜!

 

※引用した画像は全てこの映画の予告編を切り取ったものです。

こんにちは、しおりです。ヨーロッパが好きすぎて、新卒OLを2年で辞めドイツでフリーランス始めました。
主に翻訳(英⇄日)、ライター、ときどき写真も撮ります。食べることと音楽と映画と、とりあえず多趣味です。

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